実家を相続したら最初に確認すること|名義・期限・管理の進め方
実家を受け継いだ直後は、家の使い道をすぐに決められなくても大丈夫です。まずは「誰の家か」「いつまでに手続きが必要か」「当面だれが管理するか」をそろえると、家族の話し合いを進めやすくなります。
最初は、家を守ることと書類の確認から
親を亡くした後は、葬儀や役所の手続きと並行して実家のことも考えるため、負担が重なります。初めから家財の整理と売却準備を全部終えようとせず、連絡担当者を決め、家の状態を確認し、資料を一つの場所に集めましょう。
- 鍵を持つ人と予備の鍵の所在を確かめる。
- 雨漏り、窓の破損、庭木や塀の危険がないか、安全な場所から確認する。
- 郵便物の確認方法と、自治体などからの連絡先を決める。
- 遺言書、登記関係の書類、固定資産税の通知書、購入時の契約書を探す。
- 支払った管理費や交通費は日付・目的・領収書を残す。
建物が傾いている、屋根材が落ちそうといった場合は、中に入って片付けを進めず、所在地の自治体の空き家担当や専門業者に相談します。利用方針が未定でも管理は必要です。国土交通省も、活用や解体までの間に適切な管理を行うよう案内しています。国土交通省の管理案内
土地と建物の名義を別々に確認する
「父の実家だから父名義」とは限りません。土地は祖父名義、建物は父名義という場合や、兄弟などと共有している場合もあります。登記事項証明書で土地・建物それぞれの所有者、共有持分、抵当権などを確かめ、現地や課税明細と照合します。住所と登記上の地番・家屋番号は異なることがあるため、手元の情報をそのまま控えておくと相談に役立ちます。
| 集めるもの | 確認したいこと |
|---|---|
| 登記事項証明書 | 土地・建物の名義、共有者、登記された権利 |
| 固定資産税の通知書・課税明細 | 課税されている物件と維持費の手がかり |
| 購入時の契約書・図面 | 購入時の状況、面積、増改築などを調べる材料 |
| 遺言書・相続関係の書類 | 取得する人や手続きについて専門家に相談する材料 |
物件の把握には、法務局の所有不動産記録証明制度も選択肢になります。ただし、指定した氏名・住所などの検索条件と登記の記録が違う物件は一覧に出ないため、通知書や過去の資料との突き合わせが大切です。実家以外の土地や私道持分を見落としていないかも確認します。法務省の制度案内
相続登記の期限を予定表に入れる
相続登記は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請するのが原則です。2024年4月1日より前から取得したことを知っていた未登記の相続については、原則として2027年3月31日が期限です。遺産分割で取得した場合の追加の義務もあるので、自分の事情に当てはめた期限を確認してください。法務省の期限案内(PDF)
話し合いがまとまらないときは、相続人申告登記などの制度を法務局や司法書士に相談できます。この申告だけで売却に必要な相続登記がすべて済むわけではありません。書類がそろうのを待って期限を過ぎることがないよう、早めに相談日を入れましょう。手続きの説明は相続登記の進め方で確認できます。
借入れを含む財産が不明で、相続するかどうかから迷っている場合は、家の売却や解体契約を先に進めず、相続全体を専門家に相談してください。家の使い道と、相続の判断は一緒に確認する必要があります。
当面の管理と支払いを家族で分ける
現地に行ける人へ全てを任せると、時間と出費が一人に偏りがちです。「訪問する人」「請求書を保管する人」「業者と話す人」を分け、費用を立て替えたときの精算方法も書いて共有しましょう。連絡担当になったことと、家を所有する権利を決めることは分けて考えます。
予算には固定資産税、保険、電気・水道、庭の手入れ、点検や移動の費用を入れます。保険は空き家になった後も同じ条件で補償されるか契約先に確認し、電気や水道は点検方法と漏電・漏水への対応を考えて扱いを決めます。
連絡の一覧には、担当者名だけでなく「次の点検日」「支払いの締切」「確認が済んでいないこと」も残します。遠くに住む家族は、書類の整理や相談予約を引き受けることもできます。現地での作業を頼んだときは、その人だけが判断や出費を背負わない仕組みにしておきましょう。
次の家族会議では、決めるための材料をそろえる
次回の話し合いまでに、年間の維持費、修繕が必要な箇所、家族が今後使う予定を一枚にまとめます。売却も考えるなら、購入費用が分かる書類や過去の利用状況を残しておきましょう。相続した空き家の売却に関する税の特例には条件があり、貸したり使ったりした履歴が関係する場合があります。国税庁の特例案内
「残すか売るか」を今日決められなくても、管理担当、相談先、次に見直す日が決まれば前進です。比較の材料は残す・貸す・売る・解体する選択肢にまとめています。
出典・確認日
本文の制度説明は、以下の公式情報を確認して整理しています。手続き前に、提出先の最新の案内もご確認ください。
- 法務省:相続登記には期限があります(リーフレット)確認日:2026-10-30
- 法務省:所有不動産記録証明制度について確認日:2026-10-30
- 国土交通省:空き家の管理のやり方確認日:2026-10-30
- 国税庁:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例確認日:2026-10-30